ますおか内科クリニック

ひたちなか市外野の内科、循環器内科、糖尿病内科、呼吸器内科
ますおか内科クリニック

〒312-0053
茨城県ひたちなか市外野1-35-17
TEL 029-354-0567
▲Mobile Site
トップページ»  糖尿病と心臓病

糖尿病と心臓病

糖尿病と心臓病

近年糖尿病の患者様が急増し、大きな社会問題と成っています。原因は肥満と運動不足ですが、高カロリー、高脂肪な食習慣がその根元と考えられています。
残念ながら茨城県は糖尿病による急性心筋梗塞や心臓死が全国でもトップクラスで、県でも本格的に循環器疾患の撲滅に取り組み始めています。
成人に一般的にみられる2型糖尿病には2つのタイプがあり、一つは空腹時にも血糖が高い重症の空腹時高血糖型です。
これは欧米人に多く、空腹時血糖が126mg/dl以上を呈し、糖負荷試験を行うと空腹時と負荷時に血糖が高くなります。
もう一つは日本人に多い軽症の食後高血糖型で、日本の糖尿病の70%はこのタイプです。
欧米人とは異なり日本人では肝臓での糖の吸収が不良で、加えて食後のインスリンの追加分泌が少ない事が原因と考えられています。
糖尿病治療の目的は血糖をコントロールし合併症である血管障害を防ぐ事ですが、糖尿病による血管障害には2つのタイプがあります。
一つは三大合併症として知られる網膜症・腎症・神経障害で、放置しておくと失明や透析に繋がります。
これらはとても細い血管の障害により生じる事より細小血管症と言われていますが、重症の空腹時高血糖型の糖尿病で生じ、空腹時血糖126mg/dl、食後血糖180mg/dl、HbA1c 6.5%より悪いと発症します。
もう一つは脳や心臓や足の大血管の動脈硬化症で、境界型や食後高血糖型などの軽症糖尿病で生じ大血管症と言われています。
境界型でも糖尿病と同程度に心筋梗塞の危険率が高まる事が分かっており、食後高血糖型の糖尿病では狭心症・心筋梗塞・脳梗塞などの発症を予防する事が治療の目標となります。
肥満や運動不足により肝臓や筋肉に脂肪が蓄積するとインスリンが効き難くなり(インスリン抵抗性と言います)、肝臓や筋肉での糖の吸収が抑制され食後の高血糖が生じます。
その結果インスリンが遅れて過剰に分泌されますが、この過剰に分泌されたインスリンと食後の血糖上昇が直接・間接に血管を障害し、動脈硬化を促進します。
また糖尿病の患者様は高血圧症や高脂血症を合併する事が多く、約半数で高血圧症を合併しており、これらを併発するとより一層動脈硬化が進行します。
このため糖尿病の患者様では厳格な血圧・脂質のコントロールが必要とされており、血圧は130/80mmHg未満、総コレステロールは200mg/dl未満、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)は120mg/dl未満に下げる事が推奨されています。
治療としてはまず生活習慣の改善で、脂肪やアルコールの摂取を減らし、運動する習慣を持ち、標準体重(BMI22)を維持してください。
喫煙により心臓病は3倍に増えますので、必ず禁煙してください。栄養指導を受けて自分の摂取カロリーを把握し、10分で良いから毎日運動する事が大切です。
薬物治療としては食後の高血糖を是正する薬剤(αグルコシダーゼ阻害剤、グリニド)やインスリンの効力を改善する薬剤(ビグアナイド、チアゾリジン)が用いられますが、特にチアゾリジン系の薬剤が動脈硬化の予防に有効とされています。
オイグルコンやダオニールのようなインスリン分泌を促す薬剤は膵臓を疲弊させるので、初期には使用しません。
高血圧を合併していればアンギオテンシン変換酵素阻害薬やアンギオテンシン受容体拮抗薬、カルシウム受容体拮抗薬を用いますが、特に前2者が糖尿病性腎症の予防に有効とされています。
狭心症を合併している患者様ではβ遮断薬を併用しますが、最近カルベジロールという薬が糖尿病患者様の高血圧に有効と報告されています。
高脂血症を合併している患者様にはスタチンを使用しますが、スタチンには動脈硬化予防効果やプラーク安定化作用が有り、急性心筋梗塞の発症を予防します。
糖尿病による重症冠動脈疾患の治療には冠動脈バイパス手術が選択されることが多く、冠動脈ステント治療に比べ再発が少なく優れているとされていました。
しかし最近、再狭窄を予防する薬剤をコーティングしたステント(薬剤溶出性ステント)が使用できるようになり、ステント治療の成績も向上してきています。
現在バイパス手術と薬剤溶出性ステントの成績を比較する大規模試験が進行中で、その結果が待たれています。
糖尿病では症状が無くても心臓病が進行している場合が少なく無いので、定期的に心電図検査(運動負荷心電図)や心臓・血管超音波検査を受け、冠動脈疾患の早期発見・早期治療を心掛けてください。